駅近くの電車から見える建物の壁面にはたいていどこでも楽書きで埋め尽くされている。この独特のロゴスタイルって何処が発症なんだろう?ニューヨークか?ロンドンか?真似して複製を再生産してるヤツラってオリジナリティというものを考えないのだろうか?そもそもアーティストじゃないのか。

9:39発パリリヨン行きのTGVでエクスアンプロバンスへ。はじめてのTGV、新幹線より早いと聞いていたのでどんなものかと思ったら、かなりちんたら走って、時々とまってはセキュリティがどうとかアナウンスが入る。席は今回3本とも2階の窓側を予約してある。隣にはデニムのミニスカートの女性。ちなみにデニムというのはdes Nimes、つまり繊維産業が盛んだったニームが発祥とか。冷房が効きすぎて寒いので黒のワンピースを膝にかけている。手の指は黒のマニュキュア、足の指は赤。ソニーのウォークマンでずっと音楽を聴いている。携帯電話もウォークマン携帯だ。車窓からブドウ畑が見える。こちらは日本のぶどう棚とは違って腰か胸の高さ。

約1時間遅れてAix-en-Provence TGVに13:10着。駅からでると街らしきものはなさそう。改めて「迷い方」を見ると、街はバスで30分くらいと書いてある。いかにガイド本を斜め読みでちゃんとチェックしてないか。駅前にバス停らしきものもなく、探すとTGVと幹線道路が立体交差していて、シャトルバスは地下だった。3.7euro。緩やかな丘陵のアップダウンする風景。バスターミナルから市街に入り、かなり大きなツーリズムで地図をもらう。
エクスもビオットと同じように泉の街。あちこちに泉がある。2:30になるのでHotel des Artsにチェックイン。朝食込みで41.4euro。ダブルベッドだが部屋は狭く、トイレはあるが浴槽はなくシャワーのみ。冷蔵庫、クーラーはなく扇風機と小型のテレビがある。レセプションは感じのよさそうな兄さん。フランス人ぽいフランス語を話す。二本松にいたノルマンディー出身のGさんと同じしゃべりかた。駅に着く前に昨日買ったバナナとホテルでチーズを食べて3時頃街へ。とりあえずサンソヴール大聖堂とセザンヌのアトリエを見れればいいやと思ったが、道を間違い、迷路のような市街を散々歩いた。サンソヴールではちょうどミサをやっていた。マイクを通した説教、ほとんど分からず、ce qui どうたらと何度も言っていたのでなになにする人はどうとかって説教をしていたんだと思う。
セザンヌのアトリエは市中心部から離れた坂の途中にある。坂を上りながら体力の限界を感じ始める。ニース近辺2日の疲れが溜まってるのか、バカンスなのに疲れきってどうする?しかもまた道を間違えていて軌道修正ロス。アトリエは2階建て約50平米だけで林の庭があるにしても5.5euroはちょっと高い。さらに坂を上ると、Terrain des Peintresというサンビクトワール山を見晴らす階段状の公園がある。南仏に来たら是非とも拝みたいと思っていた。セザンヌが繰り返し絵のモチーフにした山。学生時代セザンヌを信奉する先輩が彼に習って比叡山を繰り返し描いていたのを思い出す。先輩まだ油絵描いてるだろうか。

疲れきっていたので30分以上公園で寝転がって休む。5時半頃あとはメシ食って帰ろうと市街にもどるが、また歩き回ってしまう。結局Quickでバーガーとビール、ちょっと足りなかったのでピザのテイクアウトを追加して7euroくらい。ホテルに戻って仮眠してから日記を書こうと思ったらそのまま寝てしまい、部屋の実測もできず、デジカメの充電もし忘れた。photos272枚+movie。