▼調布市街地のデザイン・コンセプトを安藤忠雄氏に依頼
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20080917/526266/
というニュースがあり、市のHPでもそれなりに情報公開している。
http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1214896966709/index.html
http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1220918831497/index.html
5ページの提案書、講評等ダウンロードできる
提案書を提出したのが2社しかなかったという記事にどういうことかと詳細を検索したら、説明会には14社が参加している。鹿島建設、清水建設、大成建設、石本建築事務所、坂倉建築研究所、安藤忠雄建築研究所、妹島和世建築設計事務所、久米設計、山下設計、松田平田設計、日建設計、日本設計、タカハ都市科学研究所、パシフィックコンサルタント。ゼネコンでもよかったの?
選考基準に過去5年間の調布市における業務実績、述べ床面積5,000平方メートル以上の公共建築における業務実績、一定程度の資本金、などがあるので、これで多くの小規模アトリエや個人の参加は排除されている。とは言え、基準を満たすJVを組めばよさそうなものだが、そうまでしないのは著名な建築家の審査員を立てなかったことと、安藤忠雄が既定路線だろうとほとんどの人が身を引いたのだろう。彼はここ数年、仙川の民間マンション、ギャラリー、市の芝居小屋など受注し、講演会などもしていた。
コンペやプロポーザルは出来レースだと言う人もいるが、公平な審査が行われると信じなければ参加などできない。時に無名の実績のない新人が選ばれることもある。
思えば、京王線連続立体化事業にともなう未来の調布駅とその周辺広場等の提案を行ったのは、もう13年も前の1995年、できたばかりの文化会館たづくりのギャラリーを借りて「+CHOFU〜調布の未来地図〜」という展覧会をオーガナイズした時だった。その時、岩田明士さんがつくってくれたのが下の模型。自然採光換気を地下ホームまで取り入れて地下鉄駅を視覚化するという、新渋谷駅を先取りしたアイディア。

都市計画は息の長い仕事だ。今頃実施設計以前の基本構想段階で2012年に間に合うの?という気もする。
プロポーザルに全国から多くの案が寄せられなかったことは残念だが、決まった以上、安藤さんにいい仕事をしてもらうよう期待するしかない。調布駅の立体化はかつて高架案で流れ、再び巡ってきた補助金の順番がまわってきて地下化が決定した市民の悲願。環境系の人は地下水脈を切るとかぐじぐじ言っているが。街の中心駅があんなしょぼくていいのかと多くの人が思っていたと思う。
10月16,17,21日意見交換会があるようなので参加される方、後で様子を教えてください。
ケロアンのプロジェクトもいったいいつ予算がついて実施されるんだろうっていう案件がいろいろある。
しかし妹島さんを当て馬にするなんて調布市もやるね。
安藤さんの案は特に悪くは無いけれど妹島案(こっちは非公開)と大差がつくほど優れているとも思えない。そこそこ優秀な学生の設計製図の授業の提出案といったところ。
安藤さんの調布での実績は仙川にいくつかありますが、公共建築である保育園+劇場は通路にピン角の独立柱が並んでいるなど(現在はクッション巻き)かなり問題があるものでしたから「実績」にあげるのは難しいでしょう、普通に考えれば。
また安藤さんの市民参加的活動はあくまでも「的」に過ぎないと僕は感じています。
難波和彦さんが自分の日記に、ギャラリー間の安藤展のオープニングに行ったら「建築界と言うより実業界の面々ばかりで知った顔はほとんどいない不思議な会。人数からして精選された招待客であることは明らかだが、皆背広姿なので会場が黒一色で不気味。」と書いています。
安藤さんはどこへ向かっているのでしょうか。