林田正光著 あさ出版 2006.1.26 を読む。
3月に東京ミッドタウンにリッツカールトンがオープンして東京の高級ホテル競争が激化すると言われている。ホテル(Hotel)と病院(Hospital)は同根でホスピタリティ(hospitarity)が基本理念にある。多様化するホテル、病院に対して、ターミナルケア(終末期ケア)を行うホスピスという施設もある。
ホテルや病院の設計依頼もあるかもしれないし、サービス業のあり方を点検してみようということで、この本を読んでみる。設計事務所も教育の仕事も基本的にはサービス業だと思うので、顧客が何を望んでいるかを察知し、期待以上の感動を提供して満足度を上げることで、選ばれる事業者としての地歩を確立して行かなければならない。
「あなたは日々の仕事で<喜び>を感じているでしょうか?
ぜひ、お客様とともに仕事する<喜び>を感じてください。」
(表紙裏)
そうそう。サービス業というのは顧客が喜んでくれるのが一番の喜びである。
「お客様が賢くなった」
ホテルであれば、世界中の高級ホテルを泊まり歩いている顧客の方が従業員よりサービスを受ける質の経験を多く有している。設計であれば、材料や工法の情報はあふれている。専門家の役割は潜在的欲求を引き出したり、顧客自身がまとめきれない相互矛盾した要望や空間に納まり切らない過剰な要望を客観的に整理し、優先順位をつけ、破綻なく空間として構築すること。当然予算内で。
自分が顧客だったら自分に依頼するだろうか?そういう視点を持つ。
「ホスピタリティの3要素
1 Safety 安全であること
2 Courtesy 心くばりがあること
3 Amenity 快適であること
一時目標=ものを買う、食べる
二時目標=心を満たす
ファンやリピーターを「ロイヤルカスタマー」へ
よいお客様はよいお客様を連れてくる」
建築にはアフターケア、メンテナンスはあるが、ホテルや小売業のようなリピーターは考えにくい。フランチャイズ店でもない限り。多くの人にとっては一生に一度なわけで、一期一会、最善を尽くして口コミの紹介を期待するしかない。
そして、新規の顧客とどのように巡り会うか?サービス業全般に言えることだが、1年前の常識は現在では通用しない。常に試行錯誤して前進しなければ。