2008年09月21日

Amélie Nothomb


昔ケロアンに住んでいた日本人から引き継がれたポケットブック(ペーパーバック)Amelie Notombの"
Robert des noms propres(2002年)"を読んでいる。できるだけ辞書を引かないようにしているのでバレリーナを目指す少女の成長を書いた話ってくらいしか説明できないが、読了前にふと、作家の名前を検索したら、フランスではなかなかの売れっ子らしい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Am%C3%A9lie_Nothomb

外交官の娘として神戸で生まれて各国を点々とし、23歳の時に住友商事に1年勤めてベルギーに帰り小説家となるのだが、9作目となる"Stupeur et tremblements" (畏れ慄いて1999年)が日本勤務の経験から書かれた小説で映画化もされている。日本企業の変な掟を誇張しすぎていると賛否両論あるようなので、いつか見てみたい。
http://www.bacfilms.com/site/stupeur/


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2007年05月06日

風の影

「風の影」カルロス・ルイス・サフォン著、木村裕美訳(2006)を読む。

バルセロナを舞台に、幻の作家と彼の著作に出会い、その過去を解き明かそうとする少年の人生が交錯する。内戦の傷を背負った都市で困難な愛と嫉妬と復讐が渦巻く本を巡るミステリー。一見、ホラーや超常現象の類いに思われるが、複雑に絡み合った事象の謎は終末に向けて解き明かされて行く。

バルセロナに行ったことがある人、行こうと思っている人には是非読んでもらいたい。地図付き。建築系はガウディと旧市街とモンジュイックにあるミースのバルセロナパビリオン、カラトラバ、磯崎新、ミロ美術館なんかを見てまわるわけだけど、ゲルニカだけじゃない、もひとつの内戦のイメージと物語を重ねて見ると面白いのではないか?

37カ国で翻訳出版され、500万部以上を売り上げているというベストセラー。著者がほぼ同世代で、広告代理店をやめて小説家を志し、ハリウッドに渡って脚本等書きながら本書を完成させたという経緯にも惹かれる。ガウディの時代を舞台にした続編が計画されているというのが楽しみ。

古書店というと、最近はブックオフ的なものが隆盛だが、神保町辺りの古書店街は独特な雰囲気がある。大昔の雑誌のバックナンバーを当時の定価以上の値段で買い集めたり、高価な洋書を少しでも割安な中古で求めたり。本は財産なのだと思う。だからなかなか捨てられない。

先日「カンブリア宮殿」でジュンク堂書店社長の工藤恭孝氏と店員の田口久美子さんがでていたけど、どんなにパソコンやインターネットが普及しても紙の本はなくならないんじゃないかと思う。出版不況を分析した佐野眞一の「誰が本を殺したか」という本が話題になったことがあったが、本の世界も二極化、格差社会になっていくのだろう。広告で成り立つフリーペーパーやフリーマンガ、コンビニやブックオフでしか書物を手にしないような人は確実に増加しそうだ。
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2007年04月15日

頭のよい子が育つ家?!

頭のよい子が育つ家
四十万 靖 (著), 渡辺 朗子 (著) (2006日経BP)を読む。

なんか嫌ぁ〜なタイトル。
子供のお受験に血道を上げる教育ママをターゲットにした企画本。こんな家にすれば有名中学受験に合格できる「頭の良い子」になる、と思わせるつかみ。

要点は、有名私立中学に合格した子には、親子のコミュニケーションが円滑で、リビングやダイニングなど親の目の届くところで勉強する子が多そうだ、という話。

6年間に渡り「有名中学合格家庭」200件以上を調査した中から、栄光学園、開成中学、慶応義塾中等部、フェリス女学院など11校に合格した事例を平面図とイラストで紹介しているのだが、プライバシーへの配慮とかで、実在する家庭ではなく、様々な家庭からええとこ取りしてミックスしたフィクションになっている。

分析したという調査の具体的な統計データもなければ、有名私立中学合格家庭でない家庭にはこの本に書かれているような特性は見られないのか?あるいは立派な子供部屋で勉強している子供は有名中学に合格できてないのか?といったことには触れていない、ご都合主義の恣意的なまとめ方になっている。

「頭のよい子が育つ家」は「中学受験」を礼賛するものではなく、親の言いつけを聞くのが「よい子」でもなく、自ら考え行動する、コミュニケーション力の問題であるという言い訳もされているが、「頭のよい子」や「有名中学」を連呼して子育てに悩む親にアピールしようとしていることは明らかで、不快に感じる人も多いのではないか?

編集者や執筆者側の事情を鑑みれば、世間のマジョリティが公教育の崩壊から避難して学歴社会を強化し支配層になっていくなら、そうしたマーケットに迎合するとは言わないでも、懐に入らなければ改善改革の一歩も踏み出せないといったところか。
「さおだけやはなぜ潰れないのか」みたいにタイトルで売ったろっていう風潮が最近の出版界にはあるようだし。
お二人ともええとこの育ちのようなので上流階級的な発想はベースにあり、自己肯定したい感はあるのだろう。

渡邉朗子さんは父がミースの事務所に勤めていた渡邉明次であり、ミースやコル等近代建築の巨匠の作品や父が設計した自宅、自身が設計した住宅についても語っているのだが、これらの平面図もイラストも写真もない。

これだけビジュアル情報が氾濫した昨今に不親切すぎる。建築にまず大切なのは「考え方」だが、それ以上に、それを具体的な三次元空間として如何に破綻なく実現するかというのがプロフェッションであり、同業者としても物足りない。四十万 靖さんによる調査事例の「創作」ともども説得力に欠けると言わざるを得ない。四十万 さんのお手伝いシゴトだったのかな?

ちなみに彼らが唱える「頭のよい子が育つ家」の10か条と建築学から考えた7つの秘密とは

十か条
01 子ども部屋を孤立させないようにしよう
02 家中を勉強スペースにしよう
03 おうちの中で、引越ししてみよう
04 子どもと家族の記憶に残る空間を演出しよう
05 お母さんのスペースを贅沢にしよう
06 親父の背中をみせる工夫をしよう
07 おもてなし空間を意識しよう
08 五感で感じられる空間にしよう
09 「書く」コミュニケーションを実現しよう
10 ギャラリー空間を設けよう

秘密
01 ノマド式勉強方法が実現できる家
02 気配とモノ語る壁のある家
03 風通しのいい家
04 アドムの飛ぶ家
05 豊かな想像力を育む家
06 脳とからだを同時に使う家
07 頭のよい子が育つ街・頭のよい子が育つ国

個人的には、大学まで全て国公立で塾にも行ったことがないので、ヤクザや泥棒、詐欺師や天才など多様な人種で構成される社会の縮図とも言うべき公立中学でサバイバルできるかで人は鍛えられるんじゃないかと思うのだが。。。。適応できなくて不登校になっても大検とか他の選択肢もあろう。

住宅や家族のあり方としては当たり前のことを言っているので、ご家族、親子の関係が当たり前にいっていない人には多少のヒントにはなるでかもしれません。というより、崩壊した家庭を修復するのは至難だから、家庭を築く前、子供が生まれる前に読むべきでしょう。
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2007年03月18日

となり町戦争

三崎亜記著「となり町戦争」を読む。
第17回小説すばる新人賞。昨年、江口洋介、原田知世主演で映画化もされている。
http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/tonarimachi/
ずいぶん前にストリームのブックレビューで紹介されていて、予約していたもの。

ある町が、町の振興事業として、となり町との共同事業である戦争をするというもの。カフカや安部公房のようなシュールさと不条理感のあるテイスト。

すばる新人賞を狙う着眼点としては面白いと思うが、ちょっと淡々としたストーリー進行に物足りない感じもする。

戦争による「まちづくり」

防衛庁が防衛省に昇格し、教育基本法で愛国心が論議され、憲法改正の為の国民投票法案が採決されようとしている今、まちづくりに関わる人、公務員、市会議員、教育者、サラリーマン、ニート各位に読んでもらいたい。
posted by May_Say at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月05日

借りている本

このところさしあたってしなければならないことがないのでしばらく趣味に走ってもいいのだけど、このまま半年一年と依頼がないといけないのでいろいろ自己投資やら種蒔きやらしとかないといけないわけで、一つは読書で借りている本。

高野登著「リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間」
1月3日に書いた「クレド」の続き。今月30日に六本木東京ミッドタウンにリッツ・カールトン東京がオープンするし。サービス業の復習。リッツに泊まれるような身分になれるのはいつの日か?


内野吉夫編著「ひとりで学べる第2種電気工事士試験」
設計者は工事に手を出さないというのが基本なのだけど、ちょっとしたリフォームの相談なんか受ける時に自分でちゃちゃっと工事まで出来たらいいのにと思うこともあって、何度か簡単な工事まで請け負ったことはあるのだけど、そういった時に思うのは、壁の中の配線もいじれると守備範囲が広がるなぁってことで、もうひとつ国家資格を取っておくか?なんて考える今日この頃。

日本建築学会編「空間演出−世界の建築・都市デザイン−」
「空間体験-世界の建築・都市デザイン−」というのと姉妹本でいろいろ復習になる。たとえ小さなリフォームでも脈々と蓄積されて来た世界の建築の歴史を押さえているかどうかで空間の奥行、含蓄は変わってくるものと信じたい。

shinaside.jpg
近所の品川通りと京王相模原線の立体化工事、どうやら歩行者も上を跨げということらしい。
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2007年02月27日

肩越しの恋人

唯川恵著「肩越しの恋人」第126回直木賞受賞。
27歳の二人の幼なじみの女性。
通販会社でアダルト商品を扱ったりクレーム対応にも耐えキャリアを積んで来た萌の家に家出した高校生アルバイトの崇が転がり込む。そこへ三度目の結婚もうまく行かず旦那に浮気されたるり子が加わり3人の生活がはじまる。

崇は海外留学することになったが、萠は崇の子供を身籠ったことを伝えず送り出し、るり子は萠の子を一緒に育てることを誓う。
新しい家族像の小説。

斎藤潔さんのコーチングでポジティブライフ
http://www.on-going.com/dejio/dejio_63.html

藤川千景さん(有限会社ギャラリーアートギルド 代表取締役)
http://plaza.rakuten.co.jp/artguild/

血縁関係じゃない家族をつくりたいと言っていたが、気の合うもの同士や目標を共有するもの同士が擬似的な家族を構成する事例が、少子高齢化、非婚化の今後、増えて行くのかもしれない。そのための空間開発もしていかなくては。。。。
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2007年01月15日

青年社長

社会人あるいは就職を考えている人は気になる経営者っていると思う。一昔前だと松下幸之助、稲森和夫、出井伸之あたりか。僕の場合は、同世代の楽天の三谷浩史、サマンサタバサの寺田和正、avexの松浦勝人、上の世代だと松井証券の松井道夫、そして今日の話題の、ワタミの渡邉美樹。

高杉良著「青年社長」は渡邉美樹をモデルにした実名小説。脚色はあるにせよ、起業とは、仕事とは、仲間とは、家族とは、いろいろ考えさせられる小説。
「夢に日付を付ける」っていう言葉、聞いたことがあると思うが、渡邉の言葉。

小学校時代に母を亡くし、父の会社が倒産、卒業文集に社長になると誓う。社長になりたい起業家、三木谷浩史はインターネットショッピングとレストランチェーンが同等の選択肢にあって、何が儲かるかという銀行屋の発想だったし、サイバーエージェントの藤田晋も何で起業するか白紙だった。

それに対して、渡邉は学生時代に恵まれない子供たちの為のイベントを成功させ、国内外を旅行する中で食事こそが仲間や家族を結ぶ最も楽しいものだと外食産業を志向する。設立準備のために経理事務所で会計を学び、佐川急便のセールスドライバーとして開業資金を捻出する。

出会いと運が飛躍のきっかけとなる。創業を先導したのは居酒屋会のカリスマ、つぼ八の創業者石井誠二。石井のスカウトによりつぼ八のフランチャイズ1号店を皮切りに、地歩を固めた。石井はイトマンの資本論理でつぼ八を追われ、現在は八百八町を展開、ワタミの監査役に名を連ねている。

例えば、調布で飲もうと言ったとき、気らく家、気らく亭、土風炉、えん屋、新撰組、きちんと、淡菜房、東方見聞録、つぼ八、笑笑、ってなかなか和民は選択肢には上がってこないが、経営者は面白い。最近は有機農業や介護ビジネスを展開、学生時代から1本芯が通っていると思うのだ。めまぐるしくトレンドが激変する外食産業、失敗した時の撤収も鮮やか。

FC展開するプロトタイプづくりも一度はやってみたいものだ。
posted by May_Say at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月11日

ホスピタリティの教科書

ホスピタリティの教科書−お客様の感動を生む「まごころ」のおもてなし−
林田正光著 あさ出版 2006.1.26  を読む。

3月に東京ミッドタウンにリッツカールトンがオープンして東京の高級ホテル競争が激化すると言われている。ホテル(Hotel)と病院(Hospital)は同根でホスピタリティ(hospitarity)が基本理念にある。多様化するホテル、病院に対して、ターミナルケア(終末期ケア)を行うホスピスという施設もある。

ホテルや病院の設計依頼もあるかもしれないし、サービス業のあり方を点検してみようということで、この本を読んでみる。設計事務所も教育の仕事も基本的にはサービス業だと思うので、顧客が何を望んでいるかを察知し、期待以上の感動を提供して満足度を上げることで、選ばれる事業者としての地歩を確立して行かなければならない。

「あなたは日々の仕事で<喜び>を感じているでしょうか?
 ぜひ、お客様とともに仕事する<喜び>を感じてください。」
(表紙裏)
そうそう。サービス業というのは顧客が喜んでくれるのが一番の喜びである。

「お客様が賢くなった」
ホテルであれば、世界中の高級ホテルを泊まり歩いている顧客の方が従業員よりサービスを受ける質の経験を多く有している。設計であれば、材料や工法の情報はあふれている。専門家の役割は潜在的欲求を引き出したり、顧客自身がまとめきれない相互矛盾した要望や空間に納まり切らない過剰な要望を客観的に整理し、優先順位をつけ、破綻なく空間として構築すること。当然予算内で。
自分が顧客だったら自分に依頼するだろうか?そういう視点を持つ。

「ホスピタリティの3要素
1 Safety   安全であること
2 Courtesy  心くばりがあること
3 Amenity  快適であること

一時目標=ものを買う、食べる
二時目標=心を満たす

ファンやリピーターを「ロイヤルカスタマー」へ
よいお客様はよいお客様を連れてくる」

建築にはアフターケア、メンテナンスはあるが、ホテルや小売業のようなリピーターは考えにくい。フランチャイズ店でもない限り。多くの人にとっては一生に一度なわけで、一期一会、最善を尽くして口コミの紹介を期待するしかない。
そして、新規の顧客とどのように巡り会うか?サービス業全般に言えることだが、1年前の常識は現在では通用しない。常に試行錯誤して前進しなければ。
posted by May_Say at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月10日

クール・ジャパン

クール・ジャパン 世界が買いたがる日本 /杉山知之著
を読んだ。
校長日記/スギヤマスタイル
http://www.sugiyama-style.tv/
はチェックしてるので、時々著書でまとめ。

宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダム世代が工業デザイナーになって、その影響が製品デザインに反映されているというが、建築で言えば、若林広幸、高松伸、渡辺誠、あたりか。

インターネットが普及したのも仕事がデジタル化されたのも社会人になってからで、新しい職能が生まれ、既存の仕事の仕方も変化し続けている。建築の設計でも、そこそこのものを安くっていう階層には、プログラムの自動設計の進歩によって、素人が簡単に間取りを作成し、法的チェックと概算が出てくるなんて時代がおそらく10年後くらいには実現するだろう。その時に専門家はどう生き残るのか?こんな解決方法があったのか?っていう感性や発想力、プロジェクトをまとめる統括力や交渉力、ゲームや映画等仮想空間への進出、要望の数量化とプログラミング。。。

新谷かおる「エリア88」
美樹本晴彦「マクロス7トラッシュ」
士郎正宗「アップルシード」
あたり読んでみようかな。。。
posted by May_Say at 16:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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